テーマは « AMARCORD - I REMEMBER - »
2024年春夏コレクションの舞台は、フェデリコ・フェリーニが少年時代を過ごしたイタリア中部アドリア海岸リミニ。
春の訪れを告げる綿毛が舞う青空、刻々とその色を変えるどこまでも深い紺碧の海、夜のとばりが下りたくすんだブルーに煙る蒸気の中、突如現れる大型客船。美しいブルーのカラーパレットから思い起こされるリミニの情景、AMARCORD (アマルコルド = I remember) というその地方独自の言葉の通り、フェリーニの記憶を辿って描き出された記憶の輪郭、柔らかな色彩。そこに今シーズンのコレクションの着想を得ました。
また、1980年代に主にイタリアで活動したポストモダンを代表するデザイナーの集団であるメンフィス。
当時主流であった機能主義や合理性を重視したモダニズムに疑問を感じ、もっと自由にパターン、カラー、ユーモアなどデザインが本来持つ部分にフォーカスし、自由に自己を開け放つというブランドのフィロソフィーと重なりを感じる彼らの精神にも着目しました。
そして肩肘張らずにさりげなく、力の抜けたエレガンスを意味するスプレツァトゥーラ、イタリアの職人たちの創造性と芸術への情熱が生み出した貴重な遺産であるクラフトマンシップ。これらはイタリアの美しい土壌や自由な表現、創作活動の中で自然に受け継がれているように感じます。「AMARCORD - I remember -」を今シーズンのコレクションのインスピレーション源として掲げ、イタリアの美学やアティチュード、ものづくりの伝統にリスペクトしつつ、軽やかで優しい色合いのブークレシルクやコットンなど新たに加えた素材や色を通し、lucien pellat-finetの更なる可能性を表現しようと試みました。
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